高校3年生の時の席替えで
教室の前側のドアから一番近い席になった時の話。

 

 

場所的に言えば3階トイレの隣の教室であり、
階段→男子トイレ→女子トイレ→教室の並びになっている。

 

 

机の位置だけで言えば女子トイレの会話がもっとも聞こえやすい位置にいた。

 

 

時間帯でいえば朝礼が始まる前だ。

ギリギリ終わってなかった宿題とにらめっこしながら

シャープペンシルの芯を転がしていた頃だった。

 

 

「由美ちゃん(笑)」

 

 

含み笑いでクラスメイトの下の名前を呼ぶ麻里の声が聞こえた。

 

 

ここがトイレと名の付く場所でなければ名前を呼んだだけの他愛もない状況。

 

 

その後に聞こえてきたのは
もう1人のクラスメイトの声

 

 

千雪「朝起きて、すぐにすればいいんだよ!」

 

 

会話の流れとしてはスキップしているが
由美が個室にいたため微妙に聞き取れなかったのだろう。

 

 

恐らく個室内の由美が発した言葉は
「朝する時間が無かったんだもん・・・」

といった類のものということが考えられる。

 

 

この瞬間に女子トイレ内で行われていることが氷解した。

 

 

もし、小用ならば麻里が含み笑いなどしないはずだからだ。

 

 

由美も大をすることは内緒で個室に入り、

バレないように気を使っていたことが伺える。

 

 

状況から察するに排便の途中でバレてしまったのだろう・・・

 

大抵バレるときは音かニオイ

あるいは、その両方である。

 

嘲笑めいた感じの笑いが起きたのであれば

うっかり出てしまった“排泄音”の方だろう・・・

 

ニオイであればジワジワ効いてくるものだし、場所の特定にも若干のタイムラグが生じる。

 

一方、音の方は・・・
由美が入った個室から“ブッ”とか“ブリュ”みたいな音が聞こえれば一瞬で分かってしまうからだ。
クラスメイトの立場であればうっかり吹き出してしまうのも頷ける。

 

数分ほどの脳内憶測を繰り広げていたら

排便を終えたばかりの由美が教室に戻ってきた。

 

ついさっきまで学校で大便をしていた…

などということは表情から1ミリも伝わってこない。

いわゆる澄まし顔というやつだ。

 

事の流れを知っている者からすると、

その細かい演技力が逆に興奮を覚えた。